SAMRUP
南砺市福野地域に位置するタイ料理店を計画した。
オーナー兼シェフの石田氏は長年、世界中のホテルビジネスの立ち上げに関わっているなかで、タイで出会った世界的料理教育機関であるル・コルドン・ブルー(バンコク)にて、本格的なタイ料理を学ぶ。当初はケータリングのみで友人関係でのビジネスだったが、それが評判を呼び、生まれ故郷である福野へのUターンをきっかけに店舗での起業を決めた。
敷地は、大工さんの元住宅兼作業所。二軒長屋の昔ながらの町並みに立つ建物は、レトロなタイル張りのファサードで、まるでタイの街角にある食堂を連想させるような風格から、外部空間から連続したタイルをデザインのアクセントとしながらも、ちょっと不思議な空間に誘われるようなポップなカラーリングの設えとした。
南国らしい、竹の網代の天井材や木彫のペンダント照明を設えつつも、作業所に放置されていた日本の水屋箪笥をキャビネットにリメイクする等、国や年代を超えた化学反応が全体のオリエンタルな空気感の表現に繋がったと感じている。
料理はタイ人でさえも美味しいと唸る程。ここの料理を食べたいとわざわざ福野に訪れる、そんな旅の目的地として育っていくことを期待している。
プロデュース&プロジェクトマネジメント
山川智嗣(CORARE ARTISANS JAPAN)
建築デザイン
山川智嗣、山川さつき、中嶋麻衣(CORARE ARTISANS JAPAN)
照明器具デザイン
大治将典(Oji & Design)
建築施工
石原尚(イシハラ)
木彫
前川大地(井波木彫工芸館)
石材加工
北村隆洋(北村石材店)
サイン制作
塚田浩平(北陸カッティングサービス)
写真
大木賢(nando)