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南砺市井波地域に位置するクラフトビールのブリュワリー(醸造所)の計画。

地元井波で建設業を営む藤井氏がとなみ青年会議所の研修でオレゴン州ポートランドに訪れた際、クラフトビールのブリュワリーが賑わいや雇用創出等のまちづくりに大きな貢献をしていることに感銘を受け井波での開業を模索していた。その際、一般社団法人ジソウラボがおこなっていた移住起業者を伴走支援するプログラム「MAPプロジェクト」で元ワイン醸造家の望月氏が応募してきたことがきっかけでプロジェクトがはじまった。

2人の出会いから加速的にプロジェクトは進行し、林業を生業とする地元企業・島田木材の紹介もあり、同社の発祥の地でもある古民家がプロジェクトの場所として決まった。その古民家は、町内の公民館的な役割を果たしていたというストーリーもあり、時代を超えて新たなコミュニティの場所をつくろうと考えた。

コンセプトは「BEER IS COMMUNITY」

藤井氏の長年の夢である、ビールでのコミュニティづくりを実現すべく、地域の人々が集い、時には酒を酌み交わしていた公民館的な大きな土間玄関の空間をタップルームとして計画。そこで人々が集い立ち飲みできる、新たなコミュニティスペースへ生まれ変わらせた。町との連続性を高めるため軒下空間には長いロングベンチを設置し、タップルーム内のベンチとひとつながりとすることで、まちの縁側のような空間で風を感じながらビールを楽しめる設えに仕上がっている。

元々、林業を営んでいた建物という歴史性もありビールタップが接続されている業務用冷蔵庫は、島田木材が所有する山から切り出されてきた杉の無垢材を4寸角に加工し、積層、全体を包み込むことで、まるで山から切り出されてきたばかりの丸太置場のような空気感を表現している。全体の中央に配置することにより、タップルームとショップスペースを緩やかに繋ぎつつ、それぞれの場所の性格を与える効果も出している。

「土着醸造」をテーマに、地元の木材をはじめとする南砺の豊かな食材を原料に、その土地のモノとヒトが織りなすビール業界の新たなマリアージュが楽しめる空間を目指した。元ワイン醸造家の望月氏がつくるワインとビールの技術の融合も今後楽しみなお店になるだろう。


プロデュース&プロジェクトマネジメント
山川智嗣(CORARE ARTISANS JAPAN)

建築デザイン
山川智嗣、山川さつき(CORARE ARTISANS JAPAN)

グラフィックデザイン
田中裕亮(ROWBOAT

建築施工
中村康一(藤井組)

石材加工
北村隆洋(北村石材店)

木材加工
島田優平(島田木材)

鋳物制作
四津川元将(四津川製作所)

サイン制作
塚田浩平(北陸カッティングサービス)

写真
大木賢(nando)

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